法人設立で社会保険は強制加入に——健康保険・厚生年金の手続きと費用負担

法人を設立すると社会保険への加入が原則義務になります。手続きの流れ、必要書類、会社と役員が負担する保険料の目安を解説します。

法人化すると社会保険は強制加入になる

個人事業主のときは国民健康保険・国民年金への加入が中心でしたが、法人を設立すると、役員が1人であっても原則として「健康保険」と「厚生年金保険」への加入が義務付けられます。これは会社の規模や役員報酬の有無にかかわらず適用される強制加入の制度で、加入手続きを怠ると後から遡って保険料の徴収を求められることもあるため注意が必要です。

加入が必要な保険の種類

  • 健康保険:協会けんぽまたは健康保険組合に加入。医療費の自己負担軽減に加え、傷病手当金などの給付が受けられる
  • 厚生年金保険:国民年金に上乗せされる形で加入し、将来受け取る年金額が増える
  • 労災保険・雇用保険:従業員を雇用する場合に加入が必要。役員本人は原則対象外だが、兼務役員など例外もある

加入手続きの流れ

  1. 法人設立後5日以内を目安に、年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を提出する
  2. 役員・従業員それぞれの「被保険者資格取得届」を提出する
  3. 被扶養者がいる場合は「被扶養者(異動)届」もあわせて提出する
  4. 従業員を雇用する場合は、労働基準監督署・ハローワークで労災保険・雇用保険の手続きも別途行う

必要書類には登記簿謄本、法人番号指定通知書の写し、賃貸借契約書のコピーなどがあり、事前に年金事務所へ確認しておくとスムーズです。

保険料の負担額はどれくらいか

社会保険料は役員報酬の額に応じて決まり、会社と本人が原則半分ずつ負担する「労使折半」が基本です。健康保険と厚生年金を合わせると、役員報酬のおおよそ30%前後が保険料の目安となり、そのうち半分を会社が負担します。役員報酬を高く設定するほど会社側の負担も比例して増えるため、設立初期の資金繰りを圧迫しないよう報酬額の設計時に考慮しておくことが重要です。

加入しないとどうなるか

  • 年金事務所による立入調査や加入指導の対象になる
  • 未加入が発覚すると、最大2年分の保険料を遡って徴収されることがある
  • 従業員の採用面でも社会保険未加入は不利に働きやすく、求人応募が集まりにくくなる

まとめ

法人設立と同時に社会保険への加入は避けて通れない手続きです。設立直後は登記や税務署への届出に追われがちですが、年金事務所への届出も期限内に済ませ、役員報酬の設計段階から保険料負担を織り込んでおくことで、資金繰りのつまずきを防ぐことができます。

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